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2019 07/19

広島・マツダスタジアム設計者の遊び心。 新幹線、遊環構造、ただ見エリア……。



日本でいちばん好きな球場は――マツダスタジアム!

 この答えを出すのに、まったく迷いはない!

 アメリカではオールドスタイルだったらボストンのフェンウェイ・パーク、20世紀末にたくさん建てられたクラシカルモダンだったらシアトルのTモバイル・パーク(セーフコ・フィールドって言わないと、なんだかピンとこないね)だけれど、日本では広島がダントツ。

 まだ訪ねたことがない人は、とっても幸せだと思う。

 はじめてスタジアムを目にした時の、あの興奮を人生でまだ味わっていないのだから!(『スラムダンク』をまだ読んでない人並みに羨ましい)

 Number982号「カープに学べ」特集の企画「マツダスタジアムに『遊び心』を学べ」は、どうしてあれだけ楽しい空間が日本で実現できたのか、それを探るために取材計画を立てた。

球場を設計したのは、仙田満氏。

 私がマツダスタジアムの好きなところを挙げると、思いついただけでこれだけある。

・おトクな内野自由席1700円で球場に入れる。コスパ最強!
・たとえシートに座れなかったとしても、球場を一周できるコンコースをウロウロしていると、アッという間に時間が経つ
・コンコースではバックネット裏、内野、外野とあらゆる角度から野球が楽しめる
・ライトスタンド後方にあるフィットネスクラブがシュール
・「寝ソべリア」「バスタベリア」「ただ見エリア」など、他の球場では考えられないエリアがある
・レフト後方に走行中の新幹線が見える

 企画の“肝”は、こうしたアミューズメントがなぜ実現できたか、を探ることだ。

 そこで取材対象に選んだのは、設計を担当した環境デザイン研究所の仙田満氏だった。

 仙田氏への取材は忘れがたい時間となった。ここ数年の仕事の中で一、二を争うインタビューだったのではないかと思う。

「日本の球場は窮屈ですよねぇ」

 東京工業大学名誉教授の仙田氏は、日本建築学会会長も務め、国際教養大学の素晴らしい「中嶋記念図書館」、スポーツ関係では兵庫県の「但馬ドーム」、ちょっとひねったところでは、箱根駅伝の小田原中継所がある「鈴廣蒲鉾本社ビル」などの作品がある。

 仙田氏は、子どもの成育と建築の関係について研究を重ねてきたが、その本質は「遊び」にある。

「スポーツの原点は、遊びですよね。日本で生きるということは、災害の多い国で生きることを意味します。子どもたちには困難を乗り越える力を遊びの中で養ってほしいと思い、これまでの作品にそうしたアイデアを盛り込んできたんです」

 仙田氏の発想の根幹を成すのは、「遊環構造」。いろいろなところをグルグル回りながら遊べる空間だ。

 言い換えれば、「流動性が担保された空間」というべきか。そうした発想を球場に移し替えたわけである。

「日本の球場は席に縛りつけられています。席を中心とした発想なんですよ。それじゃ、窮屈ですよねえ。席も広いわけではありませんし(笑)。

 私は人が集まる公共の場所は閉鎖的ではなく、開かれた空間であるべきだと思っています。ですから、球場に足を運んでいただいたら、自由に動き回ることができて楽しい。だからこそ、また遊びに行こうと思える空間にしたかったんです」

 動き回ることを実現させたのが、日本で唯一のメインコンコースだ。内野自由席1700円で楽しめるのは、このコンコースがあるからなのだ。

広島にとって球場の意義は大きい。

 そしてまた、仙田氏の哲学を感じたのは、仙田氏が「街」とのつながりを意識していることだった。

「広島のみなさんが愛した以前の市民球場は、平和記念公園から見て原爆ドームの先に球場がありました。球場は、広島のみなさんにとって、とても意義深いものなんです。だからこそ、マツダスタジアムの建設も、当初は市民球場跡に建て替えることが望まれていました。しかし経費の面でも、新しい街とのつながりを作る意味でも、最終的に現在の場所になったわけです」

 そこに、様々な仕掛けがあった。

新幹線が見え、新幹線から見える。

 まず、仙田氏は走行中の新幹線も見えるように設計をした。このアイデアは、とある日本の球場にヒントを得たもので、それを再現したものだった(回答は本誌で!)。

 素晴らしいのは球場と新幹線の双方向性で、新幹線に乗っている側からも、球場が見えることで街と球場がつながる。私などは山陽新幹線に乗り、広島駅に近づくと胸がワクワクしてしまう。ナイトゲーム開催日ならなおさら。カクテル光線に照らされたスタジアムを見ると、一瞬、すべてのことを忘れてしまうほどだ。

 街と球場の双方向性は、アメリカでは特に意識されているものだ。

 サンディエゴのダウンタウン近くにあるペトコ・パークは、特に街とのつながりに配慮した設計になっていたり、試合のチケットを持たない人であっても、参加できるような仕掛けがある。

 日本のドーム球場に足を運んでも、ワクワクしない理由が分かった。それは、建物が外部を拒絶しているからではないか? すべての設計発想が内側、観客にとっては席を中心に発想されているから、内部からの放熱がない。それがマツダスタジアムでは「ただ見エリア」ひとつとっても外部とのつながりが意識されていて、球場の熱が街へと伝わっていく。

日本のスタジアムのスタンダードになった。

 東京では新国立競技場が年内には完成し、2023年には北海道日本ハムが新しいスタジアムをオープンさせる。本来なら、日本でもスタジアムについての議論、批評がなされるべきだと思うが、その時にスタンダードとなるのは、間違いなくマツダスタジアムだ。

 街と球場の関係、そしてそれがもたらす経済的な効果。新球場の建設は広島という街を活性化させた。また、こうした仙田氏の発想を、カープ経営陣が遊び心を全開にして、楽しさを倍加させているからこそ、次々と楽しいシートができるのだ。

 つくづく、広島の人たちが羨ましい。

 こんな素敵なスタジアムが、自分の街にあるなんて。



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