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2021 08/11

広島・栗林の個性が侍守護神に向いていた 重圧すら乗り越える大一番での「ゾーン」


スポニチアネックス

 すさまじい集中力は、侍守護神の重圧を振り払うのにも役立ったに違いない。広島・栗林良吏投手(25)は、東京五輪の全5試合に登板して2勝3セーブを挙げ、日本の金メダル獲得に貢献した。

 初戦のドミニカ共和国戦で1失点した試合後、父・秀樹さんにLINEを送った。「次は最初から全力でいく」。手探りのまま登板した点を反省し、先頭打者から全力投球で臨めるようにブルペンから集中力を高めた。そして、以降の4試合を全て無失点に抑えた。

 この集中力が栗林の好投を支えている。「ブルペンでは全力で投げても140キロ台前半ぐらいしか出ない。試合で球速が上がるのはアドレナリンが出るから」。前半戦の得点圏被打率は・095(21打数2安打)。接戦やピンチの場面では表情が引き締まり、いわゆる「ゾーン」に入っていくように見える。

 開幕から22試合連続無失点が止まった6月13日のオリックス戦は、9回表に3点劣勢を追いついて迎えた急きょの登板だった。

 「確かに“今日の出番はないかもしれない”と思いながらブルペンに入っていました」

 試合後には永川投手コーチからは「点差に関係なく心の準備はしっかりしておこう」と伝えられた。それ以降、黒星はついていない。裏を返せば、集中力を最高潮に高められた時点で勝負あり。気持ちを整えた栗林に向かうところ敵はいない。

 東京五輪での決勝・米国戦の直後、「毎試合負けられない中で1点も与えられない重圧があった。日本開催の重圧をすごく感じていた」と答えている。極限の緊張感も「ゾーン」に入れば関係なかった。大一番でこそ力が増す性格は、侍守護神に向いていた。(記者コラム・河合 洋介)

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