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2019 06/30

広島・強すぎる広島、純血主義に厚みを持たせた2人の存在



 広島カープの試合を見ると「強い」と言葉が漏れてしまう。最近、野球に興味を持った人たちは、広島が数年前まで「お荷物球団」と揶揄されたことを想像すらできないだろう。

 広島は猛練習に代表される広島イムズを代々受け継いでいる。それを可能にするのが「純血主義」。ただ、それだけで勝てるわけではない。「外様」の力を利用し「純血主義」のベースに乗せたことこそが、圧倒的な強さの秘密なのである。


圧倒的な「生え抜き」集団
「純血主義」

 広島ほどそれを地で行くチームはない。

 今季の組閣は、1軍から、けが人のケア・若手の強化にあたる3軍まで生え抜きばかりが揃う。広島から入団をしていないのは、迎祐一郎1軍打撃コーチ、山田和利2軍内野守備・走塁コーチ、青木勇人3軍コーチの3人のみ。その3人も現役時代に広島でプレーをしている。

 セ・リーグのチームで比較するとその「純血主義」ぶりが際立つ。

・広島
 監督・コーチ計20人(※)。そのうち広島から入団したのが17人。在籍経験があるのが20人全員。
・ヤクルト
 監督・コーチ計19人。そのうちヤクルトから入団したのが11人。在籍経験があるのが15人。
・ジャイアンツ
 監督・コーチ計24人。そのうちジャイアンツから入団したのが13人。在籍経験があるのが21人。
・DeNA
 監督・コーチ計18人。そのうちDeNAから入団したのが9人。在籍経験があるのが15人。
・中日
 監督・コーチ計20人。そのうち中日から入団したのが10人。在籍経験があるのが15人。
・阪神
 監督・コーチ計20人。そのうち阪神から入団したのが7人。在籍経験があるのが17人。

 2018シーズン、広島はセ・リーグの中で唯一在籍経験がない——外様指導者のいない「ほぼ生え抜き」で作られたチームなのである。
(※注:2018シーズン。NPBでプレー経験のないコーチ・トレーナーを除く。ラミレス監督は入団をヤクルトからとした)


刻まれた「練習ハ不可能ヲ可能ニスル」
 もちろん、その理由が意図されたものかといえば、それだけではないだろう。
 広島というセ・最西地に本拠地を置く地方球団ゆえ、関東や関西から指導者を招聘しにくい。他球団経験者を招いたときには、若手寮での単身赴任を強いられる。組閣を頻繁にいじれない環境にあるため、自然とコーチ歴は長くなった。

「純血主義」がいい、というわけでもない。ただ、「純血主義」だからこその恩恵もある。

 指導者が大きく入れ替わらないからこそ、チームとして目指す野球にブレがない。

「これまでの監督、コーチがしっかりと選手を育ててくれた。そういったベースに積み重ねてきたものがあって、今がある」

 現在指揮を執る緒方孝市監督はそう言い、歴代の指導者のスタイルを継承してきた。伝統的なスタイルこそ3連覇を成し遂げた要因である。

 広島の代名詞とも言える猛練習も「純血主義」が支える。広島の練習量のすさまじさは誰もが知るところ。前回のコラム(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54341)で指摘した育成方針もあるが、猛練習によるたたき上げでチーム作りを行ってきた。2軍大野寮にある石碑には「練習ハ不可能ヲ可能ニスル」と刻まれており、チーム内でも「練習は嘘をつかない」という考えが根付いている。

 特に近年は主力に20代が多く、まだ練習量をこなせる体力があるだけに、練習から手を抜かない姿勢が若手へ好影響を与えている。

 これを実現させられるのも、生え抜きの指導者がイズムを注入するからこそ。選手の姿勢やプレースタイルにも広島カラーが浸透していくわけだ。

 ただ、だからといって「3連覇」ができるわけではない。長く続いた低迷期を脱するきっかけとなったのは、他球団を知る〝外様コーチ〟の存在だった。


新井貴浩も感謝した外様コーチの存在
 15年オフ、守備走塁コーチから打撃コーチに配置転換された石井琢朗氏(現ヤクルト打撃コーチ)。横浜で一時代を築き、2000安打を達成するなど輝かしい実績を残した名選手。09年に広島へ移籍し、12年の引退後は指導者として広島に残った。

 15年まで守備走塁コーチとして菊池涼介と田中広輔を、リーグを代表する二遊間に育て上げた手腕は、担当を打撃部門に変えても発揮された。就任直後の秋季キャンプでは選手に振る基礎体力を求めた。求めたのはスイング数。その数、1日800~1000スイング。やみくもに振らせたわけではない。「極論、夢の中で振った回数も入れていい」と、意識改革をしたのだ。

 素手の素振りから始まる早出練習から、午後はひたすら振り込み。それまで「フリー打撃」「ティー打撃」「走塁」「トレーニング」に分けていたローテーション打撃に「ロングティー打撃」と「連続ティー打撃」を加えるなど細分化した。飽きさせない練習で、量だけでなく、質の向上につなげた。

 キャンプ期間で下地をつくり、実戦に入れば状況に応じたケース打撃を意識させた。進塁打、バントで走者を進めるだけでなく、仮に無死満塁で内野手が定位置であれば「併殺でも得点が入る」という考え方を注入した。一般的には併殺打は評価されない。しかし、1点を取ること、それ自体を評価し、また打者が打席において相手守備陣形をチェックするなど状況に応じたバッティングができる「意識」を作り上げた。

 また、15年オフに西武から広島へ移籍してきた河田雄祐氏(現ヤクルト外野守備走塁コーチ)も大きな役割を担った。河田氏も実は広島育ち。85年に広島入団。96年に西武へ移籍し、引退翌年の03年から15年までコーチを務めた。

 広島の伝統と常勝西武の機動力を加えた知識と経験、若手育成に定評がある指導力は広島に見事にはまった。

 確かな技術指導に加え、相手投手の癖を見抜く眼力で盗塁数を増やした。チーム全体に次の塁を狙う意識を浸透させる。それは足が遅い選手やベテラン選手も例外ではない。

 外野守備では基本的な技術から細かな技術まで伸び盛りの選手にたたき込んだ。若手選手の1人は「初めて教えられたことばかり」と、目からうろこが落ちる思いだったと言う。鈴木誠也がゴールデングラブを受賞するまでの守備力を身に付け、丸佳浩はゴールデングラブ賞の常連となったのは河田コーチの存在を抜きにして語れないだろう。

 両氏の指導による影響力は3連覇した今季も残る。引退する新井貴浩は言う。

「琢朗さんと河田さんの遺産も大きい。例えば琢朗さんならノーヒットでどう1 点を取るか・・・。あとはとにかく球数を放らせる。河田さんは三振してワンバウンドで捕手がはじいたら、絶対に一塁に走ろうと話されていたこと(が徹底されている)。弱いチームはできていない。2人の教育は若い選手たちに残っている」

 石井氏のヤクルト移籍により、チーフ格を失った打撃コーチ陣は3人から2人となるも、指導法は石井イズムが残る。選手を打撃結果だけで評価・指摘をしない。凡打でも打撃内容が良ければ、手をたたき「方向性は間違っていない」と背中を押す。

 フリー打撃よりもティー打撃に寄り添いながら、選手個々に合わせて教え方、アプローチの仕方を変える。とことん振り込ませる「純血・広島流」を重んじながらも「考えながら振らせる」石井イズムも取り入れているのだ。

「純血主義」を土台とし、新たなものを外様コーチによって取り入れていく。時間をかけて作られた、そのベースこそが広島カープの圧倒的な強さなのだ。

筆者:前原 淳

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